「Zen City」シリーズの本作は、エネルギーを帯びた装置の内部回路を思わせる、鮮やかなオレンジ、赤、緑のコントラストが印象的です。中央に配置された鮮やかな緑色の矩形は、メモリチップやICのように見え、その周囲には接続端子やはんだ付けされたジョイントのような構造が広がっています。Pixel Montage技法を用い、すべて植物の写真—花びら、茎、葉の断片—から構成されています。
燃えるような背景は熱や信号を発しているように感じられ、中央のチップはまるで脳や制御装置のように浮かび上がります。色彩の対比が、論理と生命力、機能と感情のせめぎ合いを象徴しています。
この作品では、どんなに機械的に見えるシステムも、自然の秩序やエネルギーに支えられているという考えを探求しています。植物から抽出された強烈な色彩が、冷たく無機質に見えがちな機械構造に温もりを与えています。本作は、テクノロジーの中に潜む感情や感覚の次元を問いかけ、人間と植物の生命が「人工物」と呼ばれる構造にも響いていることを示唆します。